製造業のお客様からは特に問い合わせが増えているCommerce機能についてのお話です。DXP7.4から標準バンドルされたCommerce機能を利用してサプライヤー向けやバイヤー向けのポータル構築を検討されるお客様が増えてきています。ライフレイのCommerce機能は、実際にコマースとして利用するには(少なくても日本では)まだ早いと考えますが、サプライヤー向けのポータルや製品カタログの作成にはとても便利な機能です。
・特定の製品を一覧から検索し詳細を表示する
・特定の製品の価格や材料などの各属性情報
・特定の製品の在庫数や割引価格の表示
・特定の製品のお知らせ
・特定の製品に関するお問い合わせ
上記のような要件を実現するためにはDXP7.4を利用して一から構築することも勿論可能ですが、Commerce機能を使うとより簡単に作成が可能です。以前のバージョンでは有償での提供でしたがDXP7.4からは追加費用なしで利用が可能になったため、今後利用ユーザーも増えていくと予想されます。
オキシゲンデザイン社より製品デモの紹介も可能です。
お問い合わせ下さい。
オキシゲンデザイン社はLiferay製品紹介・導入支援・開発支援を専門とするコンサルティングファームです。
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サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション
その正体、重要性、そして実現方法について内側から見てみましょう
※本記事はライフレイ社の英語記事Supply Chain Digital Transformation: The What, Why & Howを翻訳したものです。
製造業の未来については多くの議論が行われてきましたが、パンデミックによるサプライチェーンの混乱はこれらの議論を大きく変え、わずか数か月の間に、製造業者が計画していた未来は陳腐化し、不確実さと混乱に置き換わりました。
多くの場合、その解決策はサプライチェーン・マネジメントに焦点を移すことによって近代化を再考することでありました。これを実現するには、製造業者はサプライチェーンのデジタルトランスフォーメーションについて3つの重要なことを理解する必要があります:なぜそれが重要なのか、それはどのようなものなのか、そしてどのようにそれを可能にするのか。
以下に、押さえておくべき内容をご紹介します。
サプライチェーン・マネジメントの重要性
さまざまな要素を考慮する必要があるため、製造業者はサプライチェーンプランニングがバイヤー/サプライヤー・マネージメントにおいて最善かつ効果的なアプローチであるか疑問に思うかもしれません。より良い結果を得るためには、関係性におけける別の側面に焦点を当てるべきでしょうか?
ほとんどの場合、その答えは「いいえ」です。なぜなら、サプライチェーンは多くの場合、製造業界とそれに関連する全ての組織のバックボーンとなっているからです。サプライチェーン・マネージメントは、このバックボーンを強固で健全な状態に保ち、各組織が消費者に製品を届ける重要な役割を果たせるよう支援しています。
サプライチェーン・マネージメントの5つの要素
より良い理解を得るために、従来のサプライチェーン・マネージメントシステムは5つの主要な要素に分けることができます:
- プランニング: 製造業者は過去のデータや分析を活用して見積を作成し、必要なリソースを確保。
- ソーシング: 製造業者はサプライヤーを選定し、発注、受注、支払承認などの主要なタスクを管理。
- 製造: 製品の製造、品質テスト、梱包、配送準備。
- 配送とロジスティクス: 納品完了し、請求書や支払処理。
- 返品: 返品は適切なチャネルを通じて送られ、廃棄物を最小限に抑える。
サプライチェーンプランニングのメリット
サプライチェーンの各段階には、それぞれ考慮すべき事項や関係者が存在します。そのため、各段階におけるサプライチェーンプランニングは、オペレーション全体の成功に不可欠です。その他にも、以下のようなメリットがあります:
- 費用対効果:原材料供給業者からエンドの顧客まで、サプライチェーン内のどの組織もあて推量にお金を費やす余裕はありません。サプライチェーン・マネージメントは、各事業が重要な業績指標と適切なデータ分析を利用して、問題の特定と解決、プロセスの最適化、コストの追跡などを行うことを支援します。これにより、より信頼性の高い、より正確な予算が作成することができます。
- 効率化: 余分な工程は、時間の浪費や 人的ミスの可能性を高めます。サプライチェーンプランニングを最重要視することで、手抜かりなく効率化を図ることができます。
- 簡素化: サプライチェーンが複雑化するほど、製造業者は顧客の期待に応えることが難しくなります。サプライチェーン・マネージメントにおける煩雑なプロセスを簡素化し、各関係組織は能力を高めることが出来ます。
- 顧客満足度:サプライチェーン・プランニングが最高の状態にあれば、すべての関係者が効率良く業務を遂行することができ、エンドの顧客にとってより良いエクスペリエンスにつながります。正確な納期予測、遅延の最小化、信頼性の高い優れた製品などは、適切に管理されたサプライチェーンの価値を消費者が実感するためのほんの一例にすぎません。
サプライチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーションとは?
サプライチェーン、ひいてはサプライチェーンマネージメントが、製造業者のデジタル化の取り組みにおいて重要な役割を果たすことは明らかです。実際、サプライチェーンプランニングを軽視したデジタルトランスフォーメーションは、サプライヤーとの関係悪化や生産コストの増加など、さらなる問題を引き起こす可能性があります。
幸いなことに、適切なデジタル技術と、当然ながら適切な優先順位を持つことで、サプライチェーンが重要視された製造業へと変革が可能になります。
サプライチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーションのポイント
単にテクノロジーを導入しただけでは、それをデジタルトランスフォーメーションと呼ぶことはできません。業界の真のサプライチェーンリーダーになるには、デジタルサプライチェーンを構築し、管理する必要があります。そのためには、具体的な課題を特定し、克服することに焦点を当てる必要があります。以下にいくつかの例を紹介します。
- タイミング: 従来のサプライチェーンは、生産の遅れ、製品の欠品、リードタイムのずれによって遅れが生じていました。しかし、デジタル化によってサプライチェーン全体の可視性が向上し、潜在的な問題を予測できるようになるため、こうした混乱を減らし、全体的なタイミングをコントロールすることができます。
- 関係管理: タイムゾーンの違いから優先事項の相違まで、サプライチェーン全体にわたるさまざまな関係は複雑化することがあります。サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーションにより、製造ポータルなどのデジタル技術を使用して効果的なコミュニケーションを行うことができます。これにより、全ての関係者にリアルタイムで情報を提供することができます。
- データ管理: サプライチェーンは毎日膨大な量のデータを生成します。デジタル能力の向上により、データを管理するために必要なツールが提供され、分析プロセスに情報を提供し、生の情報を実用的な洞察に変えることができます。
- 費用: 適切な技術がなければ、急速に変動するコストを追跡することは困難であり、それを計画、または最小化することはさらに難しくなります。デジタルトランスフォーメーションにより、リソースをより効率的に割り当て、不要なコストを特定し最小限に抑えるなど、サプライチェーンマネージメント技術を向上することができます。
デジタルトランスフォーメーションが可能にするサプライチェーンの強靱化
サプライチェーンをデジタル化することで、強靭性を確保することができます。なぜなら、デジタルサプライチェーン・マネージメントは、可視性の向上、より明確なコミュニケーション、より強化された分析、そしてより良い人間関係の構築など、製造業者やサプライチェーンパートナーがより効果的に業務を遂行するために有用な要素をもたらすからです。
つまり、サプライチェーンの強靭性はサプライヤーポータルなどのデジタル技術によって可能になり、これらのツールは混乱や不確実性を最小限に抑えることにつながります。COVID-19パンデミックなどのリスクに直面した場合でも、デジタルサプライチェーンを活用することで、より適切で迅速な意思決定が可能になります。完全に遅延を排除することはできないかもしれませんが、デジタル化されたサプライチェーンマネージメントにより、それらに対して計画を立てることができます。
その他のデジタルトランスフォーメーション
サプライチェーンプランニングはデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの最優先事項であるべきですが、製造業の運営においてデジタル化が恩恵をもたらす領域が他にもあることを忘れてはいけません。サプライチェーンを軽視することがデジタルトランスフォーメーションの価値を損なう可能性があるように、この単一の要素に過度に焦点を当てることは収益の低下をもたらす可能性があります。
例えば、機械データを収集するためにセンサーを配置することで、工場現場の情報収集と分析の強化が可能になり、生産手順を簡素化するために必要な情報を得ることができます。これは単に時間の節約や人的ミスの減少に役立つだけでなく、ニーズや課題をより良く理解し、パートナーとの関係をどのように構築すれば双方の支援になるかを把握することで、間接的にサプライチェーン全体をサポートすることになります。
デジタルトランスフォーメーションプランニング
サプライチェーンマネージメントはデジタルトランスフォーメーションプロジェクトにおいて最優先事項であるべきですが、言うまでもなく、デジタル化でサプライチェーンを支援する前に、まずは組織全体を支援する必要があります。そのため、企業が最初に取り組む課題を慎重に検討する必要があります。その一つが、製造ポータルの選択です。
製造ポータルは、同じプラットフォーム上で大規模なサプライチェーンの検討事項と日常業務に注力できるため、デジタルトランスフォーメーションのフレームワークとして機能します。これにより、サプライヤーとの関係の簡素化、重要な分析プロセスの実行、リソースの割り当てなど、すべての作業を一括管理することができます。
製造ポータルを稼働させることで、他のサプライチェーンリーダーの成功事例に基づいてデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの構築を開始することができます。以下に2つの例を紹介します。
ディーラーポータル
農業機械の大手メーカーである MacDon 社は、ディーラーポータルをアップグレードすることで、1,000以上のディーラーからのサイト訪問者数を2倍に増すことが出来ました。システムが改善されたことで、ユーザーは在庫の確認や保証請求の提出などを行う事が可能になり、これにより、サプライチェーンは効率化し、MacDon社は売上を伸ばすことができました。
セルフサービスソリューション
建築資材メーカーであるミューラー社は、セルフサービス機能を活用することで自社のサプライチェーンの課題に対応しました。その結果、顧客は製造業者とより円滑なやり取りができるようになり、カスタマイズされた見積もりの作成が可能になったことで、返品が減り、内部関係者が容易に、かつ正確にリソースを割り当てることができました。
デジタルトランスフォーメーションへの第一歩を踏み出そう
サプライチェーンマネージメントは、現代の複雑な製造環境において必要不可欠です。パンデミックに関連する変化が新たな課題を生み出す中で、製造業者にとって、顧客により良いサービスを提供するためだけでなく、サプライチェーン全体における役割を正確かつ確実に果たすためにも、そのアプローチをデジタル化することがますます重要になっています。
サプライチェーンプランニングはデジタルトランスフォーメーションにおいて重要な役割を果たしますが、しかし、それだけでは十分とは言えません。ソリューションには、製造プロセス全体の最初から最後までをデジタル化するための機能を備える必要があり、パートナーポータルなどのデジタルテクノロジーを最大限に活用することで、最大限の効率化を図ることができます。
製造パートナーポータルは製造ポータルの一種ですが、柔軟で信頼性が高く、ニーズに応じてさまざまな形で活用でき、デジタルトランスフォーメーションへの第一歩として最適です。単にサプライチェーン・マネジメントをデジタル化するだけでなく、自社の強みを活かして厳しい環境下でより良いパフォーマンスを発揮できるよう支援してくれます。
他のプロセスを阻害することなく、サプライチェーンマネージメントに照準を合わせたデジタルトランスフォーメーションのソリューションを求めているのであれば、今すぐLiferayのデジタルエクスペリエンスプラットフォームをご覧ください。