多くのお客様から社内ポータルの基盤として利用されているLiferayDXPですが、以下の記事は実は我々にとっては社内ポータルでよく聞かれる「あるある」です。
私がお客様のプロジェクトに携わり、RFI/RFPを見てたびたび感じるのは「管理側」と「ユーザー」のシステムに対する期待値のギャップです。
ユーザー(従業員)にとってどんな作業がどのくらい便利になるか?の検討が不足しており、多くの機能を搭載すること・多くの情報を揃えること=便利なシステムという前提で仕様検討が進んでいたり、どうやってユーザーを管理するか?ユーザーに対するアクセス条件や制約などについてだけが細かく記載されている資料を渡されることがよくあります。
一方で、成功する社内ポータル案件では、
・◯◯ユーザーが◯◯の作業をする際に、本機能を利用することで作業時間がこのくらい短縮される
・◯◯ユーザーの社内ワークフローがこのくらい簡略化される
というようなユーザーにとってのメリットについて多く議論されています。
1.便利だからポータルにアクセスする 2.多くの情報がポータルに集まる 3.情報をもとめてアクセスが増えるというポータル成功のサイクルの最初の1が抜けてしまうとポータルは上手く活用されません。
文中のModern Intranet(日本語訳では現代的な社内ポータルと表現しています)の実現には、「従業員のためのシステム」という視点が重要なんだと改めて考えさせられました。
オキシゲンデザイン社はLiferayDXPの製品紹介・導入支援・開発支援を専門とするコンサルティングファームです。
LiferayDXPに関するお問い合わせはこちらまで info@oxygendesign.co.jp
Liferay社についてはこちらまで liferay.co.jp
現代の社内ポータルの覚醒:職場のヒーローになるために
※本記事はライフレイ社の英語記事”Rise of the Modern Intranet: becoming a Workplace Hero”を翻訳したものです。
社内ポータルという言葉を聞いて、ファイル共有が散らばっていたり、必要な情報を見つけるのが不可能なリンクが延々と続く悪夢を思い浮かべることはありませんか?Forrester社によると、社内ポータルの多くに見られるユーザーエクスペリエンスの悪さと従業員ファーストの機能の欠如により、多くの従業員が社内ポータルを「最も評価しない職場のツール」としてランク付けしています。
しかし、社内ポータルは従業員の成功のために非常に重要であり、ビジネスには欠かせないツールとなっています。とはいえ、従業員とビジネスの両方に利益をもたらすためには、これらの社内ポータルを現代的な社内ポータルに変える必要があります。
社内ポータル ‐ 職場のヒーローか、従業員の悪夢か?
社内ポータルは、企業が従業員向けに社内情報を発信するための方法として最初に登場しました。このニーズを満たすために、従来の社内ポータルは基本的なウェブコンテンツ管理機能を提供していました。しかし、技術の進化とともに、ガートナー社が言うように、社内ポータルはすぐに「ダイナミックな世界の静的なウェブサイト」になってしまいました。
ここで疑問が生じます:なぜ社内ポータルを使う必要があるのでしょうか?
統計を確認してみましょう。最新の社内ポータルには以下のような効果があります。
- コミュニケーションやコラボレーションを促進することで、従業員の生産性を20~25%向上
- 従業員とのつながり、エンゲージメントにより売上を20%アップ
- 大企業では、コミュニケーション不足が原因で年間平均6,240万ドルの損失をを防ぐ((小規模企業では、年間平均42万ドルの損失が発生しています)
つまり、最新の社内ポータルは、正しく使用すれば、従業員の経験(EX)を飛躍的に向上させることができる強力なツールなのです。
現代の従業員は、好みのチャネル(ウェブ、モバイル、または必要不可欠なエンタープライズアプリケーション)を介して関連するコンテンツからのタイムリーな配信を求めています。Forrester社のEmployee Experience Indexは、テクノロジーの満足度と従業員のエンゲージメントの間に相関関係があることを明らかにしています。職場で最もエンゲージメントが高い従業員は、コラボレーションツールや仕事に必要な情報へのアクセスに高い満足度を示しています。
特に最近のリモートワークへのシフトを考慮すると、社内ポータルツールは、対面で会うことが少なくなったチームのコミュニケーション、文化、コラボレーションのための重要な推進力になりつつあります。社内ポータルソリューションを現代化して、従業員が実際に使いたいと思うツールにしましょう。
あなたのために厳選されたコンテンツ 社内ポータルにおける4つの成熟度とは(英語)
では、現代的な社内ポータルは何が現代的なのでしょうか?
現代的な社内ポータル・ソリューションは、従来の時代遅れのものと何が違うのでしょうか?
堅牢な技術基盤と従業員ファーストの戦略が組み合わされた現代的な社内ポータルは、従来の社内ポータルとは一線を画しています。現代の社内ポータルは、従業員のニーズを満たす新機能に加えて、以下のような機能を備えていなければなりません。
- アプリケーションやツールが統合・集約され、従業員がすべての業務が行え、関連する情報が一元管理されている
- 従業員の役割、場所、好みに基づいて情報をパーソナライズ、ターゲット情報が表示されている
- オフィス内、リモート、デスクレスの従業員が簡単にアクセスして使用可能になっている
- 一箇所で一貫した社員コミュニケーションが実現出来、企業文化を牽引されている
- マニュアルプロセスをデジタル化され、従業員のニーズを迅速に対応し、業務を最適化されている
端的に言うと、従業員の生産性を向上させ、収益アップに繋ぐには、社内ポータルを現代化させ、従業員の経験を向上させるためには、技術的ケイパビリティを強化する必要があります。
社内ポータルを強化する
このように現代的な社内ポータルを理解した上で、次の疑問は「既存の時代遅れの社内ポータルにどのように適用すればよいのか」ということかもしれません。
従業員体験ストラテジーのための効果的なバックボーンを構築するためには、IT、法務、人事、その他必要な関係者を集めて、以下の質問に答えて、社内ポータルの目的を明確にしましょう。
- 従業員にとっての主要な組織的原動力は何か?
- 従業員にとっての成功とはどのようなものか?
- 従業員の成功は、組織全体の成功にどのように関わっているのか?
- 従業員はどのように作業したいのか?
- 従業員が日々の仕事で最も不満に思っていることは何か?
これらの質問への回答は、社内ポータルのデザインと機能性を導くだけでなく、成功や改善すべきポイントを特定するための基準になります。
社内ポータルは、様々なツールの中で人気のないツールであり続ける必要はありません。従業員の生産性を向上させ、コラボレーションを促進し、ビジネスオペレーションを最適化するためには、社内ポータルを現代化することが不可欠です。